真面目で優しいシステムエンジニアは損をする24~自分の道~
どうも!ヒグッティ(ヒグッティ@システムエンジニア)です!
今回が最終回です。最後まで読んでいってください。これはフィクションです。とあるシステムエンジニア、ヒグッティの物語です。
前回は私が休職して平穏な生活をするまでの話について書きました。
では、最終回をお楽しみください!
自分で選んだ道
私は男性不妊の検査で精巣にシコリがあると言われショックを隠せないでいました。3日間くらいふさぎ込んでしまいました。
10月下旬、大学病院で検査を受けました。結果としては初期の精巣腫瘍でした。詳しいことは手術で精巣を摘出しないとわからないということでした。その後も、癌が転移してないか全身を検査しました。転移はしていないようでした。しかし、医者からは手術の結果次第では抗がん剤治療などが必要と言われました。
この時、私の心は適応障害で休職したとき以上に落ち込みました。病気のことは上司にも報告をしました。
上司と病気のことや今後のことについて話しましたが、上司は私の思いとはかけ離れたことを考えていました。

上司:手術は11月下旬か。わかった。家にずっといると気持ちが落ち込まないか?
ヒグ:はい。なのでできるだけ外に出るようにしています。
上司:そうか。じゃあ1月から働かないか?
ヒグ:手術が終わって、検査結果が出るまでは何とも言えません。せめて抗がん剤治療が必要かどうかがわかってから決めたいと思います。
上司:検査結果は12月中旬にわかるんだろ?抗がん剤治療をしながらでも働けるよ。リモートOKの現場を用意するからさ。
ヒグ:でも、仮に抗がん剤治療が始まったら入退院を繰り返さないといけないかもしれませんし、、
上司:大丈夫だよ!気にしすぎだよ!前向きに考えろ!ポジティブ!ポジティブ!
ヒグ:はぁ、、そうですね(前向きになれないから、悩んでるんだろ、、)
上司:それに12月の結果を待ってたら、仕事が無いんだよ。ちょうど明日、1月からの新しい現場の面談があるんだ。副部長の現場で募集してる。面談を受けないか?
ヒグ:すみません。受けません(これが本音か、、、)。
上司:副部長のメンツを潰す気か?せっかく仕事を用意してくれたんだぞ。
ヒグ:すみません。
会社によりますが私の所属している会社はあまり現場の選択肢がありません。取引のある会社から多くの仕事を受注し、多くの人間を現場に入れることによって利益を得る仕組みになっています。一度、現場に入れてしまえば、毎月安定して契約した金額が入ります。上司としては多くの人間を高単価で現場に入れるかを考える必要があります。なので早く働いて売り上げに貢献してもらいたかったのでしょう。
もちろん私も生活があるので早く復帰しなければという思いもありましたが、しかし、現場に入ってしまえば病気などで特別優遇されることはありません。私が違う現場に復帰したとしても、そこのお客さんは私が適応障害、癌になったことは関係ありません。お客さんとしては、契約した金額でどれだけ働かせるか、金額以上に作業してもらうかと考えています(この考えはかなり偏っているかもですが、、)。私はそんな働き方、人間関係に嫌気がさしていました。

私は手術を受けるまでの間、今後の生活や仕事についてどうしてよいか考えていました。実際には考えはまとまっていませんでしたけど、、復職するか、退職するか、新しい会社はどうするか?転職した先でうまくやれるのか?病気は大丈夫だろうか?不安は尽きませんでした。
そんな中、私の父から旅行に行こうと言われました。家にいても気持ちが落ち着かなかったので旅行に行くことにしました。父と二人で初めての旅行でした。
温泉旅行でした。一日中何もせずただ散歩して温泉に入るだけでした。父と何か深い話をするわけでもなく今までのことを淡々と話して、ただ何もせず一日を過ごしました。そして帰宅の日が来ました。駅で父とは反対方方面の電車に乗り別れました。私はなぜか電車の中で涙が止まりませんでした。父との別れが悲しいわけでもなく、手術への不安でもなく、これからの生活への不安でもなく、、何で泣いたのか今でもわかりません。
そして11月下旬、私は手術を受けました。
結果として腫瘍は癌でした。しかし、転移もなさそうだったので抗がん剤治療はせず、5年間定期的に経過観察することになりました。
その後、上司と色々話しましたが、私の気持ちは完全に冷めていました。
私は学生時代から周りに流されるように大学まで卒業し、周りに流されるまま、就職をして働いてきました。会社に仕事を用意してもらい、給料をもらい何不自由なく生活してきました。しかし、私は何一つ自分で決めてこなかったです。流されるまま、ただ続けてきました。初めて自分の人生を決めました。
私は1月末をもって約10年間務めた会社を退職しました。
真面目で優しいシステムエンジニアの結論
- 適応障害になる。
- 癌になる。
- 会社を退職することになる。
- 自分の人生を深く考えるようになる
癌の原因はわかりませんが、ストレス、食生活、睡眠など色々あると思います。私は、ストレスだと思っています。慣れないプロジェクトリーダの作業、お客さんからの理不尽な要求、辞めていくメンバ、他の社員に相談できないなど1年間強いストレスにさらされていたと思います。これくらいで仕事を投げ出すな!と言われそうですが、、私は一年間嫌な作業を続けると心も体も壊れてしまうようです。
これからのことはゆっくり考えます。どこにいても私が覚えた技術や経験はきっとどこかで役立つと思っています。システムエンジニアは続けていきます。
最後に
最後までこの物語を読んでいただきありがとうございました。
結局、私は様々な人に迷惑をかけ、仕事を投げ出してしまいました。これがよかったのかわかりません。でも寿命はのびたかな。この物語を書き始めた時に、私は癌かもしれないと医者に言われた直後でした。私の失敗や無能ばかりの記事を書いて意味があるのかと思いましたが、この経験を多くの人に伝えたい!私の経験を書きたい!!ただそれだけの思いで書きました。見る人によっては無能なプロジェクトリーダだなーっとか思うかもしれませんが、私は構いません。ただ書きたかっただけです。書くことによって私のメンタルを保っていたのかもしれません。
この物語はあくまで一例です。IT業界にはホワイトな環境、ブラックな環境、ピンキリです。しかし、心と体を壊す前に逃げてください。後で取り返しのつかないことになります。今回で言えば私は癌になりました。発見が遅くなって下手したら死んでいたかもしれません。
また心を壊すと立ち直るまでに時間がかかります。再び働こうとする気持ちが湧いてきません。体は治りますが心はうまく治りません。このブログを通して少しでも一人でも多くの人の参考になればと思います。
ではまたいつの日か!!