真面目で優しいシステムエンジニアは損をする21~リリース~

どうも!ヒグッティ(ヒグッティ@システムエンジニア)です!
私の実体験を元に真面目で優しいシステムエンジニアが損をすることについて書いていこうと思います。これはフィクションです。とあるシステムエンジニア、ヒグッティの物語です。
前回は比較テストについての話について書きました。

真面目で優しいシステムエンジニアは損をする20~ラストスパート~

今回はプロジェクトのリリースとその後の話です。では、お楽しみください!

今回の記事で言いたいこと

  • システムがカットオーバーするとリリースするまでに多くの承認が必要になる。
  • システムがカットオーバーすると多くの人がいなくなる。
  • 障害対応は24時間対応することが基本。

リリース

8月の下旬頃、とうとうリリースまでこぎつけることができました。リリースの2時間前までテストなどをしていましたが、無事リリースの承認をもらいました。リリースはクロさん、茶髪さん、沖縄さん、ヒグの4人で実施しました。いざ、リリース作業をするぞ!っという時に最初の問題が発生します。それは茶髪さんのPCが壊れてしまいました。原因は謎ですが、何回再起動してもPCがネットにつながらず何もできない状態になってしまいました。お客さんに報告はしましたが、PCが壊れたくらいではリリースを遅らせることもできず、クロさんと私で何とかリリース作業を分担しました。一応、リリース作業は手順書を用意してできる限り自動化していたので、ギリギリ何とかなりました。リリース自体は移行模擬テストで何回もやっているので、慣れたものです。リリース当日は8時~23時まで作業をし無事リリースが完了しました。
細かいところでエラーが発生したりしましたが、後日修正でOKとなりました。私としても約1年間のプロジェクトがようやく一区切りついたとほっと一安心しました。しかし、本当の悪夢はここから始まるのでした。

リリース後の問題

一般的にプロジェクトでリリースした直後はいろいろと問題が起きやすいと言われています。リリース後、三ヶ月以内はシステムで様々な問題が発生し、対応が必要になります。その後は、問題も落ち着き、システムも安定して稼働するようになります。なので私もリリース後は、いろいろ問題が起こるだろうなーと待ち構えていました。そして早速、私の携帯に電話が鳴りました。それは私がリリース作業を終えて終電で帰宅しているときでした。
PM:もしもし、ヒグさん?夜遅くにすみません。今大丈夫?
ヒグ:はい。どうしました?
PM:今、親会社さんから電話があって、うちのシステムで作成したファイルが他システムで取り込めなくてエラーになったんだって。今から調査できる?
ヒグ:今からですか!?今、ちょうど電車で帰宅中なんですけど、、、明日ではだめですか?
PM:そうだね。今すぐにお願い。ヒグさん以外の人でもいいけど。
ヒグ:さっき解散したばかりなのでチームメンバは全員今帰宅途中でPC触れないですね、、
PM:そうか、、とりあえず今すぐお願いね!
ヒグ:わかりました。今から職場戻ります、、
PM:了解。何かわかったら教えて。

私は急いで電車を降りて職場に引き返しました。終電よ、、さよなら、、
そして、職場に向かう電車の中でまたPMさんから電話がありました。

PM:もしもし、ヒグさん?
ヒグ:はい。どうしました?
PM:親会社さんに確認したら明日に対応してくれればいいって言ってた!なので今日は帰って明日にしてください。
ヒグ:そうですか、、、(いや、先に確認しろよ、、もう終電ないじゃん、、)
PM:じゃあ明日!エラーになった内容とか報告書にまとめて報告してね。これはできるだけ早く!
ヒグ:承知しました、、

終電をなくした私はタクシーで帰ることに。帰宅したのは1時30分頃でした。風呂に入って軽食を取って寝たのは2時30分でした。この頃は寝ても1~2時間おきに目を覚ましていました。正直、休んだ気になりません。それどころか慢性的に体が鉛のように重く頭痛がひどかったです。こんな状態で月曜日が始まるなんて、、、最悪の週明けでした。(リリースが日曜日だったので、翌日は必ず出社)
この問題は茶髪さんと相談し何とか解決することができました。エラーの原因は、ファイルに出力するデータが無いときの動作が現行システムと異なっていたことでした。テストする時間がなかったとは言い訳できませんが、、本来は単体テストで見つけるべき問題でした、、PMさんに事情を説明しすぐにリリースすることになりました。しかし、リリースする時、今まで通り本番のサーバに入ってファイルを置き換えるのようにはできませんでした。PMさんいわく、オペレーターにすべて作業を依頼してくださいとのことでした。その時のやり取りです。

PM:リリースする時はオペレータさんにすべて作業を依頼してくださいね。
ヒグ:承知しました。どのように依頼すればよいですか?社内のこのサイトから依頼を申請するのは、わかりましたが、どうやって申請書を作ればよいか、、何かサンプルとかありますか?
PM:サンプルか、、私もあんまり詳しくないのよージャムおじさんに聞いてみて。あと時間無いから早く申請してね!あと2時間しかないよ!
ヒグ:はい、、わかりました。ジャムおじさんに聞いてみます。

ジャムおじさんに聞きましたが、ジャムおじさんもわからないと返答がありました。いつもながら誰に聞いてもわからない状態でした。もちろん茶髪さんなどメンバとも相談しましたが、答えは出ず、、ただ時間だけが過ぎていきました。私は直接、オペレータの人に電話をすることにしました。電話をすると片言の日本語で対応するオペレータの人が電話に出ました。日本語は何とか通じるものの、正直、時間がかかる、、とは言いつつも何とかどのような作業をしたいのかどんな申請書を作成すればよいかを教えてもらいました。カットオーバー後、リリース作業が初めてだったので、かなり戸惑いながらもリリースは無事完了。処理自体も正常に動きました。が本当はリリースするにはもっと手順を踏まないといけなかったようです。リリース後、仲間さんがやってきました。

仲間さん:リリース終わった?
PM:はい。終わりました。
仲間:リリースの承認はもらったんだよね?
PM:何ですかそれ?(笑)
仲間:えっ、、今回からリリースするときは、承認が必要なんだよ。前に言わなかったっけ?
PM:そういえば聞いたような、、実際に何するんでしたっけ?
仲間:えー、ちゃんと聞いといてよー。ヒグさんも説明するね。今回から本番に変更をかける作業が発生したら承認を得る必要があります。承認を得るのは、「課長」、「部長」、「品質管理部」、「親会社さん」です。この人たちから承認を得ないと本当はリリースできません。まぁ今回は急ぎだったし特別ってことで目をつむるけど、、次からはちゃんとしたリリースの手順に従ってください。
PM:そうだったんですね。了解です!!
ヒグ:承知しました。

リリースで承認を得る必要があるなんて知りませんでした。でもめんどくさそう、、しかし、このリリース以降平和な日々が続きました。定時には帰れないにしても20時ころに帰れる日が増えました。問題がなかった訳ではないのですが、致命的なエラーはありませんでした。私はこの間にも更に仕事が増えていきました。それはPMさん、ジャムおじさんの仕事の引継ぎです。㋈いっぱいでPMさんやお客さんがこのプロジェクトを離れてしまうそうです。10月からは私が親会社さんとやり取りをするように指示されていました。なので、その引継ぎが1日の大半を占めていました。またクロさんもリリース後はプロジェクトを抜けることが決まっていたので、クロさんの作業も私が引継ぎました。茶髪さんにも作業を引き継いでもらう予定でしたが、茶髪さんも9月いっぱいでプロジェクトを抜けることが決まっていました。整理するとこんな感じ。

  • クロさん:9月初めにプロジェクトを抜ける
  • 茶髪さん:9月末でプロジェクトを抜ける
  • PMさん、ジャムおじ:9月末でプロジェクトを抜ける
  • 9月上旬からプロジェクトに1人新しくメンバが参画。(うちの会社の1年目。バリバリの新人)
  • 定常業務の要因として2人がサポート(事務作業専用の人なのでITスキルは、ほぼなし)

私は正直、絶望していました。明らかにプロジェクトの体制が悪くなっています。今まで、茶髪さんやクロさんがいたから成り立ってきたのに、、、しかも代わりに入るメンバが新人、、、私はお客さんと交渉したり、、新人に仕事を教えたり、、システムの保守作業や改修もすべてやらないといけない様な気がしていました、、メンタルに来ていました漠然とした不安、自分だけ取り残されたような孤独感、色々感情が頭をめぐっていました。そしてその不安はすぐに現実となるのでした。この続きは次回書きます。

何とかリリースし安定稼働していましたが、私は仕事が手についていませんでした。7月あたりから頭が働かなくなっていました。茶髪さんやクロさんに仕事を振って何とかしのいでいましたが、9月に入り人がいなくなることが決まると私は一気に不安になりました。今まで大勢で開発してきたシステムを私一人で管理していけるのか?親会社さんとうまく仕事ができるだろうか?新人に早く仕事を教えないと、、考えるだけで涙が止まりませんでした


他には、リリースが無事終わったのはよかったのですが、誰からも褒められることもなかったです。お客さん、社内の上司、先輩、、誰一人私に褒めることはありませんでした。感謝されることもありませんでした。確かに今までさんざん迷惑をかけたので無理ないのですが、、私にも少しは承認欲求あるんですよ!!、、先輩や上司からしたら大したことのない仕事って思われてたのかねー。

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